オートマタの都市伝説
「修理する際の手間を考えたら必要な素材は入手が容易なものである事が望ましいな?」
「ただ、それだと人間との差異が著しく大きくなる。つまり今の課題はより人間に近しい質感を持った素材を、より簡単に入手出来るようにする事……それか、ありふれた材料だけで修復出来るようにするかって事になるね」
機能性の修復は可能でも、見た目まで含めての維持は難しいわけか。
「聞けば聞くほど不可能にしか思えないな。コスト度外視なら人間とうり二つのオートマタを作れるのか?」
「さあね。一般的には人間と区別出来ない程精巧なオートマタはまだ出来ていないって言われてるけど……都市伝説的な噂で良いなら、もうすでに人間と区別不可能なオートマタは世間に出回っていて、人々を殺してはその人に成り代わって生活している……みたいな陰謀論はあるね。俗に言うドッペルゲンガーの正体がオートマタって説だね」
そりゃまた大胆な都市伝説が出回っているな。
「その理屈だと、ドッペルゲンガーって言葉が出回った頃にはすでにオートマタが人間に成り代わろうとしている事になるよな?」
「そうなるね。いったいいつからそんな技術が存在するんだ? って話だよね。何百年も前から現代より何百年も先の技術を持った何者かが存在しないと絶対に成り立たない与太話だね。そんな奴が今も暗躍しているなら、とっくの昔に世界征服出来てるよ」
「じゃあ今度は未来人か? 歴史を変えるためにオートマタに成り代わらせているとか」
「探せばあるかもね。そういう説も」
本当の意味での技術の最先端は守秘義務とかの問題で世間には秘密にされているだろうが……だからって、想像を絶するほどの圧倒的な技術力を隠し持ってるというのはあまりにも飛躍した発想だ。そんなものがあるなら秘匿するよりさっさと使ってしまった方がはるかに賢いだろう。




