短期決戦でしか勝ち目は無い
「いくら何でも対象の範囲が広すぎるな。それならまだ魔王に対して発動する方が難易度は低いんじゃないか?」
「それはそうだね。実際にその魔法が発動されたのは魔王を追い詰めた時だから、封印しやすい状態だったハズだからね」
万全な状態よりも追い詰められた状態の方が封印しやすいわけか。
「そもそも魔法が効かないとかでもない限りは封印可能だった可能性が高いわけだな?」
「うん。封印魔法は当てるのも一苦労だけど、身動きが取れないくらいに追い詰める事さえ出来れば当てられるし、そこまでのダメージを与えられていれば、封印から逃れる事も出来ないだろうしね」
「当たった後からでも逃げられるのか?」
「命中してから封印するまでに結構な時間がかかるからそれまでに暴れられたら不発に終わるね。その上、あの封印魔法は一発使い切りのタイプだから失敗は許されなかったんだよね。だから事前に封印魔法を用意しておいて、その封印が通用するレベルまで魔王を弱らせる必要があったわけだね」
そこまで弱らせる事が出来たのであれば、そのまま封印とは言わずに倒してしまえば良いような気もするが……それは出来なかった事情でもあったのか?
「封印ではなく、倒す事は出来なかったのか?」
「出来なかったみたいだね。そもそも魔界そのものが人間が生存するのに適していない環境だから長期戦は不利……と、言うか、持久戦や消耗戦になった時点で敗北確定するから短期決戦で倒し切れなかった時点で封印するしか方法が残っていなかったみたいだね。多分だけど、伝説の勇者様一行は本気で魔王を倒すつもりで戦ったと思うよ」
なるほどな。本気で倒すつもりで戦ってようやく封印に成功したって言うのが真相と言う事か。




