人が流れる
「まあ、貰えるものは貰っておくに越した事は無いからな。金になるのを待つと言うのも当然の話ではあるな」
「結果として、モンスターを狩る集まりなのに、モンスターを積極的に狩る人が少なくなってギルドとしての活動が衰退していったんだよね。……で、その後でとどめを刺すように普通のギルドが出て来て、そっちの方が稼げるからって理由でどんどん人がいなくなっていったんだって」
なるほどな。確かに金が目的ならより依頼が多く舞い込んで来るギルドに所属する方が効率が良い。金目当ての奴らはどんどん大手のギルドへと流出していったわけか。
「まあ、稼げる方に人が流れるのは当然の話ではあるな。そして、優秀な人材が集まればそれだけ多くの依頼をこなす事が出来るわけだから、さらに依頼が舞い込んでくるようになる。そうやって依頼が集まってくれば、そのギルドに人が集まってより勢力を拡大させる事が出来るようになるわけだ。……で、最終的にはそのギルドに入れなかった連中が別のギルドを作って、そこで依頼をこなす……言ってみれば二軍のようなギルドが作られていくわけだ」
「まあ、二軍って呼ばれ方くらいはされるだろうね。基本は一軍と比較して安く仕事を受けるか、一軍より専門的な内容の依頼に特化するかしか生き残る道は無いわけだからね」
まあ、依頼料を安くするかより専門的になるかのどちらかしか生き残る戦略は残されていないからな。どちらにしても一軍という扱いにはならないだろうな。




