狩り渋り
「金か……確かに大勢が定期的に集まるなら都市部に拠点を構えた方が良いだろうな。だが、そんな栄えた場所で活動するとなると、金は必要になる。有志で集まって金を出し合うような同好会の形式で組織を運営する事も可能ではあるが……住民から依頼を受けて報酬を受け取った方が効率が良いな」
「そうだね。モンスターを討伐しているだけじゃ収入も限られてくるし、商売にした方が良かったわけだね。……まあ、そのせいで別の問題が発生したんだけどね」
「住民から依頼を受けるようになって何か問題が起きたのか? 無理難題を吹っかけて来る奴が出て来たか?」
個人で好きにモンスターを倒していたのが、仕事の依頼でモンスターを倒すようになったせいでモチベーションが下がったか? しかし、ミーシャから帰って来た答えはそれとは異なるものだった。
「そういうのじゃないよ。ただ、いわゆる狩り渋りって現象が発生したんだよね」
「狩り渋りだと……? 聞いた事の無い言葉だが、モンスターを狩らなくなるのか?」
「うん。迷惑なモンスターを見つけても、その場では放置して依頼になっているかどうか確認したり、依頼になるまで放置して待つなんて事をしてくる奴が出て来始めたんだよね」
……なるほど? 同じ事をするのであれば、ただ働きするよりも、依頼を受けて報酬を貰った方がもうかるだろうな。




