むしろ最適解
「村を狙われたら終わりってのはその通りだね。ただ、人がより多く集まる場所程、戦力が揃っているって事を理解しているモンスターっていうのは案外少ないから、何とか対応が間に合う時もそれなりにあるんだよね」
「それなりか。そんなに知能の低いモンスターが大半を占めるのか?」
「知能が低いって言うより、そういうのを学習したり伝達する前に討伐される事が殆どって感じかな。実際、斥候とかを送って様子を見るって事をするモンスターはかなり稀だし。殆どはあるだけの戦力で一斉に襲い掛かるだけだよ」
……おおよそ作戦とは呼べないような戦い方だな。ただ、圧倒的な数の暴力で侵略出来るなら、最適な行動と捉える事も可能だ。相手と比較して決定的な戦力差があるなら、変に小細工などせずに真正面から正々堂々と突撃した方が楽に倒せるからな。
「モンスターの大群が村を襲う分には、むしろ最適解の戦略とも言えるだろうな。事前にどれだけの戦力を揃える事が出来るかって点も、立派な戦略だからな。そういう観点から言わせたら、一致団結するのが遅い人類は戦略的に負けているとも言える」
相手の処理能力を上回るレベルで負荷をかけ続ける事が出来れば、時間の問題で相手はパンクして一気に崩壊するだろうからな。




