ちゃんとした戦力を送れるなら……
「まあ、そこは立地とか、周辺への対策とかである程度は改善できるけど……普通は無理だね。結局、国の端っこにじゅうぶんな戦力なんて送り続けられないし」
「そんな事が出来たら国の端っこになんてなってないだろうからな」
複雑な話になってくると一概には言えなくなるが、基本的には国境線が前線を維持出来る範囲になるからな。もっと奥まで戦力を突っ込めるなら、そこが国境線になっているハズだ。
「まあね。ちゃんとした戦力を送れるなら、それこそ食料だって物資だって遅れるわけなんだから、村とかじゃなくて、街とか、そういうのにまで発展しているだろうね」
「国境線付近は国同士が争うせいでお互いに疲弊して、そのせいでモンスターが住み着くのに丁度良い空白地帯になってしまっているわけか。討伐隊を派遣しようにも、国境線の向こう側の国と上手く連携しなきゃ侵略を疑われる。下手に手を出せないせいで余計にモンスターにとっては安全地帯と化してしまうわけだな」
まるで隙間を埋めるようにモンスターが住み着いてしまうわけだ。下手に倒そうにも、他の国を刺激する事になる。厄介極まりない危険地帯だが……逆に言えば、それと全く同じ理屈が国境線の向こう側の国にも発生していると言える。つまり、相手の国もモンスターの潜む危険地帯を抜けて侵略しに来るって作戦は取れないというわけだ。問題があるとすれば、その危険地帯の範囲が自分の国の領土をどれだけ圧迫しているかという点だ。理想は相手の国の領土の中に危険地帯があるという状況だ。これならある意味、相手の国の領土の中に自分の国を守るための第一防衛ラインを設置しているようなものになる。




