農業は特に被害が大きい
「問題が小さいうちに対処するわけか。まあ、手遅れになってから対応しても遅すぎるからな……」
「特に農業に関しては初手での対応を間違えると大変な事になるからね」
「そりゃあ、農業は収穫のタイミングが決まっているからな。そのタイミングに何らかの災害が重なるとしたら、収穫量は激減だ。しかもそれが天災の類なら、被害は個人にとどまらず村全体に響く。場合によっては致命傷になるな」
小さな村に十分な備えがあるとも思えんし、一年間の収穫量にも回数にも限界がある。そのうちの一回が台無しになれば、半年から一年間は収入がゼロになるって事になる。これが個人の話では無く、ある特定の地域全体で発生するとなると……規模の小さい国なら致命傷になりかねないな。
「まあ、小さな村なんて流行り病一つで壊滅する危険性があるからね。最初の対応を間違えたら一気に広がって一瞬で手が付けられなくなるね」
「流行り病は不味いな。人に感染するのも当然だが、家畜に感染するのも不味い。最悪全部破棄か殺処分となったら、その農家だけじゃない。そこに飼料を売っていた農家も芋蔓式に終わるな」
要するに連鎖反応的に被害が膨れ上がって行くわけだな。




