人海戦術案件
「ダンジョンの中のモンスターの殲滅なんて、完全に人海戦術で遂行するしかない案件だからね。一人でも多くの頭数が必要なのに、少数精鋭じゃないと地下深くで活動出来ないって言うのは……実質攻略不可能って言えるね」
人数が欲しいというのは正しい。ダンジョンの中を虱潰しに探し続けて数を減らして行って、最終的にゼロを目指すというのが根絶への道だ。
「しかし、ダンジョンの中にはどんなモンスターが潜んでいるかわからない。下手したら並みの討伐隊じゃ話にならないレベルで凶悪なモンスターがいたりするかもしれないからな」
「そういうのがいるのかいないのか調べるためにも先遣隊は必要なんだけど……その先遣隊を送るのにも拠点を設置してじっくり調査してもらう必要があるわけだね」
「だが、先遣隊を派遣するだけじゃあダンジョンに潜むモンスターの脅威から身を守れない。何より拠点だっていつ襲撃されるかわからないし、守れなかったらおしまいだ」
結局、先遣隊の仕事はダンジョンの少しだけ奥を調査して討伐隊に安全の確保をしてもらってさらにもう少し奥を調査する……という事を延々繰り返していかなければならないわけだ。その上ダンジョンの通路は複雑に入り組んで分かれてもいるから、せっかく用意した戦力もすぐに分散してしまうわけだ。これでモンスター達の方も組織的に戦略を立てて集団行動出来るのだとしたら……殲滅の難易度は果てしなく上昇するだろう。




