崩天蛇神の秩序維持

地下生活の問題

「仮にだが……もしも本当にダンジョン内部で拠点を構築するなら、ゴーレムにでも任せて一括管理させるしか方法は無いだろうな」

　思えば、アイスヴァイン領の領主がその方法で地下施設で守りを固めていたな。あの人工ダンジョンがどれだけ深い場所まで掘り進められたものなのかは知らないが、ある意味で最適解を出している事になる。

「確かに人が生活出来る水準に到達出来ないなら人員をゴーレムに変更して無人化の方向性に持って行くしかないかな」

「そもそも閉鎖された空間で人が生活するってそれだけでもかなり高難易度だからな。ダンジョンの中にいるモンスターを殲滅するための攻略チームを配置するなんて、事前にいったいどれだけの訓練を積む必要があるのか、とてもじゃないが想像もつかないな」

　理論上拠点の外を自由に出歩く事が出来るが……現実的に考えてそれが出来るのは圧倒的な戦闘能力を保有しているか、経験を積んでいるかのどちらかだろう。要するに、事実上決められた僅かな範囲の中で生活……それもチーム単位で活動するなら集団生活を送る必要があるというわけだ。宇宙ステーションにしても潜水艦にしても、専用の訓練を年単位でこなしてようやく実践配備と考えたら、ダンジョンの中で拠点を作って生活するという計画がどれだけ前途多難なものなのかは推して知るものがあるな。