アリの巣のボトルネック
「自分のために物資を運んで来てくれる手下がいて、自分自身は最も安全な場所で生活する。これで交通網さえ何とかなれば盤石な王国が作れるんだが……そう上手くはいかないか」
交通網が優れていればいるほど、いざ侵入を許した際に速攻で王手をかけられる危険性が増すからな。
「それでもやっぱり、アリの巣っていうのは厄介だよ。外にいる奴は倒しても倒しても無尽蔵に増えて行くけど、かと言って根絶に乗り出そうにも最深部にさえそう簡単には辿り着けない」
「本当にただのアリの巣なら大してデカくも無ければそこまでの害も無いのだろうが、これがモンスターとなるとこれほど厄介な問題も無いな。アリのようにどの場所にどんな役割のエリアがあるのかが習性でわかるのであればともかく、モンスターともなるとそこら辺のパターンも多様だろう?」
まさかダンジョンを掘り始める段階ですでに完成図が存在しているって事は流石に無いとは思いたいが……逆に言えば百個のダンジョンがあれば百通りのパターンが存在する事になるからな。害虫駆除のようなセオリーが通用しないという事になる。
「そうだね。だからダンジョンは入り口を封鎖するのが一番良いって言うね。中に入ったら危険だし、かと言って外に出たのを倒してたら埒が明かないしで」
変な話だが、出入り口は確実に通る必要があるわけだからな。そこを締め上げる事が出来るのであれば、まさに文字通りの意味でのボトルネックという事になるわけだ。




