実は有名なモンスター
「そりゃあ、いわゆるサラマンダーだからね。むしろ水属性の魔法を扱える事の方が異質なモンスターだよ」
「……ああ、四大精霊って奴か……」
四元素を司る精霊の類だったな、確か。
「そうだね。だから召喚には結構手間がかかるし……このモンスターの事を知ってる人も多い」
「なるほど……? 召喚を始めようとした瞬間に一斉に集中砲火を浴びたのは、それだけ有名なモンスターだったからか」
確かにそんなに有名なモンスターなら、その脅威度も周知されているハズだな。
「だろうね。まさかここまで多いとは思って無かったけど。流石にここまで勝ち上がれる魔術師は馬鹿じゃないって事だろうね」
「まあ、なんだったら筆記試験とかで出て来ても何らおかしくないモンスターだろうからな」
「確かにね。という事は対策の方も皆にバレてるって事になるけど……皆が皆、出来るとも限らないからね。乗りなよ。このまま敵に向かって突撃するから」
こいつの背に乗って突撃するつもりだったのか……確かにこれだけ巨大なモンスターなら人間が数人乗っても問題は無さそうだ。……見た目で言えば、オオサンショウウオだな。明らかに常軌を逸した巨大さである事に眼を瞑れば。
「こいつに乗って突撃か。障壁発生装置はどうする? このまま埋めたままか?」
「この子に背負ってもらっても良いけど……集中的に狙われちゃうからね……それに、この子の攻撃で装置を破壊しちゃうかもしれないし、あのままの方が良いんじゃない?」
確かに自滅なんてしたら目も当てられないな。
「なら、埋めたままの方が良いな。まずはどこへ向かう? 近くの敵を狙うか、それとも人数の多い場所を狙うか」




