モンスターの召喚
「この子が誰に対してどれだけの脅威になるかはわからないけど……これでようやく自由に動けるね」
突如、ミーシャの足元の魔法陣が光り輝く。恐らくモンスターの召喚が行われるのだろう。今までの召喚とは発生している現象が明らかに異なっていた。それを象徴するかのように、魔法陣から大量の水しぶきが舞い上がり、さながら間欠泉が噴出しているようだった。
「いったい何を召喚したんだ? あの水しぶきも一緒に召喚されたのか」
「水しぶきはあの子が出してる魔法だね」
間欠泉のように吹き上がる水の中からゆっくりと巨大な影が現れる。
「あれは……サンショウウオか……?」
あのモンスターの姿を見て最初に思ったのが、それだった。
「そうだよ。サンショウウオのサンちゃん。モンスターの中でもかなり珍しい、複数の属性を持ったモンスターで、水属性魔法と火属性魔法の両方を扱うよ」
複数の種類の魔法が使えるのは、モンスター達にとってもそれほどメリットにはなら無さそうだな。
「水はまだわかるが……それに加えて火までだすのか……」
良くわからん生態のモンスターだな。どちらか片方だけでもそれなり以上の生存能力を持っているハズだが。




