攻撃の種類
「カメラが壊れたってのもありえるが……今ので俺達を倒せたと思っている可能性もあるか。それならかえって好都合だが……」
「完全に引きこもるとかでもなく、攻撃してきたからには何かしら地上を確認する方法はあるんじゃないの?」
確かにあれだけ正確にここを攻撃してきたんだから俺達の位置は特定されているだろうな。つまりは地上を確認する方法は確実に持っている。
「二発目を撃つのに手間がかかるのか? ミーシャ、さっきのモグラって……いや、土ならともかく木の根っこを掘り進めるのは無理があるか」
一瞬、木の根っこを逆に掘り進めて行けば術者に辿り着けるんじゃないかと思ったが、縦横無尽に根を張っていたら方向なんてわからないし、距離によっては掘ってるだけで時間切れになりかねないな。
「木の根っこにぶつかるなんてしょっちゅうある事だろうから大丈夫だとは思うけど……相手の魔法である以上はこの根っこは魔力のバイパスの役割を持つだろうから変に刺激しない方が良いと思うよ」
「バイパス? ……この根っこを通って魔法が飛んで来るって事か?」
「魔法で生やした植物ならね。そんな魔法があるのかどうか知らないけど……」
「知らないも何も、現にこうして生えてきてるだろ。……いや、ひょっとして召喚魔法の可能性もあるのか……?」
俺の言葉にミーシャは頷く。
「それが一番厄介だね。モンスターだとしたら、その生態は十中八九周辺の魔力を吸い上げて成長するタイプのモンスター……無差別攻撃だとしても、術者の魔力は温存出来るね。それどころか、仮に食用に適した種だとしたら魔力の回復まで狙えるよね」
「考えれば考える程厄介な攻撃だな。流石に根っこで品種を特定するってのは……無理があるか」
「植物は専門じゃないからね。こんな事なら、植物の方も勉強しておくんだったかな。錬金術の授業でもどうせ使う知識なんだし」
それでも根っこだけで種の特定は無茶苦茶だと思うがな。ごぼうみたいな根菜とかでもなきゃ特定は無理だろ。
「いっそ火でも付けてみるか? 植物だし良く燃えるだろ」
「それで燃えるのって、地表に出てる部分だけじゃないの?」
確かに……そこまで効果的な策では無さそうだな。




