向こうも見失っている……?
「安全地帯から一方的に攻撃ね……この地面からの攻撃も安全地帯からの攻撃なのかな」
「概ねその通りだとは思うが、そこまで悲観するような状況でも無いと思うぞ」
「どういう事? こっちからはどうする事も出来ないのに?」
「向こうだってこっちをどうする事も出来ていないだろう。地中に潜って攻撃出来るなら俺達よりもよほど優先して狙わなきゃいけないものがあるハズだ。だが、こいつらはそれがどこにあるのか理解していない様子だ」
「それって……障壁発生装置……?」
ミーシャもようやく理解した様子だ。そう、地中に潜って攻撃を仕掛けているなら、地上にいる俺達よりも、同じく地中に埋まっている障壁発生装置を攻撃する方がよほど効果的なハズなのだ。
「そうだ。何故装置を攻撃しない? しないのではなく出来ないのか? 場所がわからないから……だとしたら、地上にいる俺達の居場所がわかるのは何故だ?」
「どこかで監視している……? 私達がやったみたいに」
「その可能性は高いな。そしてそれなら、地中に埋まっている装置の存在を見逃してしまっていてもおかしくは無い」
「見えていないからね。という事は魔力を検知しているわけでも無い……二回目の攻撃が来ないのは、さっきの攻撃でカメラが壊れた……?」
いくら安全地帯から一方的に攻撃する事が出来たとしても、それでも敵がどこにいるのか場所を大雑把にでも把握していなければ攻撃は無駄撃ちになりかねない。二発目を撃たない理由がもしそれなのだとしたら、何故一発目はこれほどまで正確な場所を攻撃出来た? 俺達の場所がわからないのか、それとも……一発目の攻撃の影響で二発目が撃てないのか。俺達の足元にはすでに大量の木の根のようなものが生えて来ている。これを押しのけて更に次の攻撃……というのはやりにくいのだろう。




