次の集中砲火
「さほど損傷しているようには見えなかったが……それでも新しいのを作り直した方が早いのか。商品としては使いものにならんな」
空を飛ぶだけならもっと他に方法があるわけだからな。小型で携帯も出来ると言っても……扱いも難しい上にすぐに壊れるとなれば、そんな物を欲しがるのは一部の人間だけだろう。
「まあ、そこは仕方ないでしょ。ほとんどオーダーメイドみたいなものって言ってたし」
「なるほどな。それじゃあ直すのも苦労するだろうな」
まだまだ個人が飛行する時代が到来するのは先の話か。まあ、極一部とは言え、実際に出来る時点で大したもんだがな。
「それより、次が来るよ」
「問題無いな」
またしても離れたところから攻撃が襲い掛かって来た。結局はミーシャを狙った攻撃だから見極めるのはそこまで難しくは無い。……が、今度は敵も工夫を凝らしてきたようだ。魔法一辺倒だった最初の攻撃とは打って変わって、今度は弓矢による攻撃が雨あられのように降り注いできた。
「なに、この数……? いったい何人が私の事を狙ってるの?」
「少ないって事は無いだろうが……見た目ほど多くの人数がいるとは思えんな。攻撃が単調過ぎるし、せっかくの矢なのに、魔法効果を付与されてある矢が少な過ぎる」
弓矢はその物理的な大きさから魔力を込めやすく、魔法を付与出来る。しかし、今ミーシャに襲い掛かってきているそれらの矢は、殆どが魔法も付与されておらず、不意打ちのように矢の中に紛れ込ませたものだった。
「確かに、攻撃が単調だね」
「それだけに、不意打ちで来る矢は微妙に降って来る角度やスピードにバラつきがある。見極めるのは不可能では無いな」
恐らくだが、大半の矢はマシーンか何かで発射しているのだろう。そこに自分の攻撃を紛れ込ませているのだ。俺達がこの場所から離れないのを良い事に、マシーンか何かを設置したというわけか。




