ミーシャ狙い
「どうする? この様子なら丘の向こう側から貫通して攻撃を仕掛けて来るという事は無さそうだが」
「同じ遠距離攻撃なら、今まさに直接こっちを攻撃してきているあっちの方から先に対処すべきだろう。後ろからの砲撃は、あっちが片付いてからでも遅くはあるまい」
丘の向こう側の方への対応を先にやれば、あの遠距離魔法を撃ってる奴からしてみたら撃ち放題になってしまうわけだからな。そっちの方が障壁を破壊されてしまうリスクは高いだろう。
「まあ、私達を狙ってきているのが明らかな者への対策を考えるのが良いだろうな」
「対策と言っても、向かって来る攻撃や相手選手を迎撃していく……くらいしか出来る事は無いぞ?」
「それだけでも出来るだけマシだ。……それより、気付いているか? 数人の敵がこっちの方へ集まって来ている事に」
勿論、気が付いている。……が、それを伝える前に敵からの攻撃が始まってしまった。敵の姿はここからは見えないが、攻撃が来るとわかっていれば、防ぐくらいの事は可能だ。
「まず最初にミーシャから狙って来るか……まあ、魔法を発動しようとしている最中だからな。真っ先に倒すべき相手と認識されてもおかしくは無いな」
ここでミーシャを倒す事が出来れば、召喚魔法で呼び出そうとしたモンスターの召喚も阻止出来るわけだからな。そりゃあまともな頭をしていたら、まずはミーシャから倒そうという話になってしまうのは必然的な事だと言えるだろうな。




