大型小型の差
「……まあ、どこかに隠すと言うのであれば小さい方が良いだろうな。隠し場所を変えやすいし、流れ弾に当たる可能性も低くなる」
「やっぱりまともに運用するつもりが無い限りは小型の方を選ぶべきだったのか……」
まさかどこか別の場所に放置していても問題無いルールだったとはな……とんでもないルールを考え付くものだよまったく。
「そうは言うが、小型は強度に問題があるからな。見つかったら終わりだぞ」
「しかし、その見つけるというのが困難だろう?」
「まあな。だが、方法が無いというわけでも無いぞ。障壁を発生させるという事は、魔力を放出しているという事だからな。その放出している魔力を感知出来さえすれば、見つけ出すのはそこまで難しくは無い」
魔力を放出か……確かに言われてみればその通りではあるが……そんなに簡単な事なのか?
「その感知とやらだって、やはり小型の方が見つけにくいんじゃないのか?」
「まあ、理論上はな。だが、それはコーヒーに角砂糖やミルクが少ししか入っていないとわかりにくいと言ってるようなものだ。ほんの少しと言えども本当に区別がつかないという話にはなるまい」
「普通に考えて見落とすようなものじゃないって事か?」
確かにミルクが入ってたら見た目にも味にも変化は出るからな。そこまではっきりとわかるものなのか。
「ああ。小型であろうと、人ひとりを守れるだけの障壁を展開するわけだからな。流石にそのレベルなら位置を特定する術はいくつかある」
「なら、大型小型の差はあまりないという事か?」
「いや、小型は範囲そのものが小さいから、位置を特定した後もそれに命中させるのが難しかったりする」




