モンスターを倒したのは
「恐らくだが、モンスターを倒した奴と、モンスターが発見した誰かは仲間だと考えた方が良さそうだな」
「ああ。モンスターと相手の距離から考えて、そいつの存在も認知出来たハズだからな。相手選手からしてみたら、それが選手であっても審査官であっても得点は入るからモンスターより優先すべき相手だ」
その通りだ。モンスターの方を先に攻撃したという点から仲間である事がうかがえる。そうでなければ得点が入らない対象を攻撃する意味が無いからな。
「そうだね。審査官同士でもない限りはモンスターの方を先に攻撃するメリットは無いね」
「映像に映っていた相手だが……パッと見た感じでは審査官ではなさそうだったな」
「ああ。恐らくは選手だろう。それほど離れた場所では無いが……問題は他に何人の仲間が潜んでいるかだ。あの周辺を調査できるか?」
「やってみるね」
オリヴィエの話を聞くと、ミーシャは杖に魔力を込める。そうすると、ある特定の場所へ向かって移動し始めている事が映像からわかる。
「この辺り一帯の映像を確認出来ればどこに誰がいるのかわかりやすくなるな」
そう言いながら俺は映像を注視する。様々な角度からの撮影が行われているようだ。この全ての視線を掻い潜りながら空を飛んでいるモンスターを狙撃出来るのであれば、かなりの脅威だ。
「……意外と人が少ないな……これなら私も突撃しに行けるな」
オリヴィエも現地へ向かい、そこで戦闘する気満々の様子だ。




