ミーシャからの提案
「まあ、自前で武器を用意出来るなら武器の市場価格はある程度で落ち着くだろうな」
「あまりにも高過ぎたら自力で作るって選択肢を取れるのであれば、足元を見る事も出来なくなって来るだろうしな」
売れなきゃ利益は出せないからな。どこかでバランスを取る必要が出て来るわけだ。
「そんな話は良いから、さっさとこの洞窟から飛び立たせるよ。良いよね?」
「……まあ、開けた瞬間に障壁発生装置を狙撃されるなんて事も無いだろ。……そのトンボみたいなモンスターを飛び立たせる事にどれだけの意味があるのかは知らないが」
正直、この洞穴の中で時間を潰していても状況が先に進む事は無いわけだからな。ここはミーシャの提案に従って、様子を見るべきなのかもな。
「一応、ある程度の命令は出せるよ。近くの敵を攻撃するようにだとか……」
「他の審査官を攻撃したりとかを考えると面倒だな……いや、そんな限定的な事はこの際考慮しない方が良いのか……?」
ランダムに他の誰かを攻撃するのだとしても、それが審査官に当たる確率はそれなりに低いハズだ。
「審査官は攻撃しないように命令は出来ないのか?」
「命令そのものは出来るけど、命令の内容を理解出来るとは思えないね」
なるほどな。モンスターの方で審査官かそうでないかを識別出来ないんじゃ攻撃対象の限定なんて命令しても無駄に終わりそうだな。
「洞窟の中からじゃモンスター一匹一匹に逐一命令を出すわけにもいかんな。やはり適当に暴れさせるしか無いのか……?」
「カメラを持たせれば水晶とリンクさせる事が出来るハズだから、他にカメラがあるなら出してもらえる?」
そう言いながらミーシャはオリヴィエにカメラを要求した。確かにそれなら周囲を見渡しつつ、モンスターに逐一命令を飛ばせるな。




