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崩天蛇神の秩序維持  作者: てるてるぼうず
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秘匿する状態で安定せざるを得ない

「ああ。研究結果を待ってるだけでは研究は遅れるばかりだ。……が、それでも、遅れるだけで済むならまだマシだ。最悪なのは……もっとも、一族としては最高な展開なのだが……周りが研究結果を待っている中で研究で得たデータを公表しない事だこれで自分だけが独占的に研究を進める事が出来るようになるわけだな」


 ……確かに言われてみたらその通りだ。自分以外が研究をしていないなら、自分がデータを公表しない限り他の研究者は延々来もしない論文の発表を待ち続ける事になってしまう。文字通りの独占状態だ。


「情報をお互いに秘匿し過ぎるとお互いに無駄な迷走をし始めて、かと言ってお互いに情報を公開し過ぎると、今度は情報を秘匿した時、そいつが圧倒的に優位に立てるわけか」

「不完全情報ゲームがもたらす典型的なジレンマ状態だな。つまり、お互いに相手が知りえない情報を隠し持っている状態……出来れば相手よりほんの僅かに、だが確実に多くの情報を把握しているか、もしくは隠ぺい出来ている状態である事が理想と言えるわけだ」


 ポーカーで例えれば、いかに相手の手札を読み切るか、そしていかに相手に自分の手札を悟らせないかが勝敗を左右するわけだな。


「お互いに理想状態を追い求めるとすると、最終的に行き着く先はお互いに肝心要の情報は秘匿し合うという現在の状況に落ち着くわけだな」

「そういう事だ。まあ、なんていう事も無い話だ。この状況はなるべくしてなっているというわけさ」

「やってる事が学問の研究なんて言う、不完全情報にならざるを得ない行動だからな……組織の理論としても、そもそも物理的にもお互いに隠し事をしている状態にならざるを得ないな」


 学問における完全情報ゲームなんて、つまりその分野のあらゆる事象が客観的に見て十全に把握出来るし理解も出来るって状態になるわけだからな。そんなもの、数学だって無理な話だ。

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