オリヴィエの交友関係
「ん? どういう意味だ?」
「だから、卒業後の事とかを考えてお前と仲良くして置こうって考えている奴がいないのはおかしくないか? って話だ。普通はそういう事を考えるだろ」
少なくとも、上を目指すならオリヴィエとの交友関係は結んでおいて損は無いハズだ。だが、そういう行動を取る者がクラス内にいないという事を考えると、そもそも国の中枢を目指そうと考えているクラスメイトが殆どいないという事を意味してるんじゃないのか? という話だ。
「……まあ、公爵令嬢と言っても末の三女だからな」
「それ関係あるか……? というよりそれを気にする奴ってそれこそお前レベルの地位の人間に限られないか?」
大抵の人間からしてみたら、公爵令嬢なんてとんでもなく高い地位にいる人間にしか見えないからな。三女だから権限が弱いとか、そういうのは確かにあるのかもしれないが……普通そんな事は想像もつかない事だと思うが。
「私レベル……というのをどう想像しているのかは知らんが、社交界だとかそういったものには出席しているからだと思うぞ」
「そういったので仲良くなってるから問題無いって事か? そういうものなのか……?」
「そういうものだ。なんだ? 常に取り巻きでもいると思ってたのか?」
「いや、そこまでとは言わんが……まあ、そういう事だな」
金持ちのお嬢様の近くに取り巻きというか、イエスマンみたいなのが囲ってるみたいなイメージは確かにあるが、あくまでもイメージに過ぎないって事か。
「バカを言うな。ああいうのは親の仕事のつきあいとか、そういうのが関わって来る話だ。そして、例えばだが、私の両親の部下だとか友人の子供が私と同じ年齢という可能性がどれだけあると思ってる? まあ、フィリパが偶然それに該当するわけだが……言ってしまえばそれだけだぞ? そう都合よく年齢が合うわけがないだろう」
……まあ、そう言われると何も言い返せないな。確かに一歳差や二歳差ならともかく、同じ学年となると確率はかなり低そうだな。




