得点は多いに越した事はない
「……つまり、もしも本当にそんな情報がリークされたというのであれば、戦闘はもっと激化していると言いたいわけか」
「ああ。この大会の参加選手は別に詳しくないが、もっと圧倒的に制圧出来るような選手はもっといるんだろう？」
世界中から選りすぐりのエリート達が集結しているとは言え、それでもまだまだ上と下で決定的な開きがあるのは明らかだ。
「ああ。やろうと思えば出来るであろう選手は他にもまだいるな。序盤で一気に勝負を決めようとする選手がそれほどいない事から、妙な情報のリークは無い……もしくは信ぴょう性に欠けるものしか流れていないと言いたいわけか」
「状況から考えて競技終了までの間に上位百名以内に入れていれば良いと考えているのが大半だろう。一気に半数まで削れたブロックが存在するのは、それをやった一部の選手が圧倒的な勝利を狙って行動したのだろうな」
情報が無いと言っても、得点は多く集めておいて損する事は無いと考えれば少なからずの人数は必要以上に得点を集める事を考えてもおかしくはないだろうな。
「確かに、大量得点を取れば何らかの恩恵があるだろうと考える者が出て来てもおかしくはないな。そしてそれを実行に移せる者でありながら、順当に勝ち上がる事を狙わずにリスクのある行動を取る……確かに人数はそこまで増えないか」
「だが、明日以降はどうだか知らんが、この競技中にメリットはあるハズだぞ？」
「この競技中にか？」
「ああ。この競技のルール上、参加者が減れば減る程最後まで生き残った選手に与えられるボーナスは膨れ上がるからな。序盤で半数まで減ってしまえば、生き残ってる選手の中から戦いを避けて生存優先に舵を切る者が現れてもおかしくはないだろうな」
序盤で半数まで減れば、そこのブロックに参加している選手の多くが終盤にはもっとたくさんの敗退者が出て来るだろうと考えるハズだ。そうなれば、自分は戦うよりも、身を隠して最後まで生き残る事を優先してもおかしくはないだろう。
