何度も出たがる理由
「まあ、よほどの規格外でもない限りはとにかく人数を揃えたいだろうからな。それに、あまり直接的には争いを見せはしないだろうな」
よほど手元に置いておきたい人材でもなければそこまで露骨な奪い合いまでは発展しないだろう。
「まあ、その手の奪い合いは本人のいない水面下でやるものだろうな」
「それにしても、この大会で結果を残せば税制まで変わってくるとはな……そりゃあ全力を出す奴も多いだろうよ」
この大会の結果次第では今後の人生が変わるって話だったが……確かに国に払う税金が変わるんじゃ身の入り方も違って来るだろうな。
「ははは。貴様も来年は出てみるか?」
「そんな簡単な大会でもないだろ。それにもし今年出てたとしたら、ここまで進めたかどうかさえ怪しいもんだろ」
「確かに貴様では少し厳しいかもな。だが、完全に見込みが無いという話でも無かったと思うが……」
「そりゃあ二択問題を解き続けるだけなんだから可能性は絶対にゼロにはならないだろうがな……」
それに、スコロが当てまくったという結果から考えれば、ずっとアイツと答えを合わせていれば難無く突破出来たって事でもある。そういう意味では今年こそが最大のチャンスだったとも言えそうだな。
「まあ、火霊祭なんて見終わってみればそんなものだ。もしも自分が出ていれば……そういう想像が止まらないのだろう」
「そうやって本当に出場しようとする奴も多そうだな?」
「多いだろうな。そうやって沼にはまるように火霊祭にのめり込む者が続出するわけだ。一度でも結果を出せば周囲の人間からの見る目が変わるからな」
「あー……それは病みつきになるだろうな」
自分の他人からの評価なんて上がっても悪い気はしないからな。




