洞窟内を攻撃する方法
「状況が読めないという点では、すぐにでも外へ出て周囲の被害を確認したいところだが……洞窟から出た瞬間に攻撃を受けそうでもあるな」
「やはり、狙われている可能性はあると思うか?」
「狙われていてもおかしくは無いな。索敵の方法にもよるが、これだけの長距離魔法を扱える魔術師ならば私達の位置を特定する事くらいわけのない話だ」
「特定した上で俺達が出て来るのを待っているとすると、流石に洞窟をぶち抜いて攻撃するみたいな無茶は出来ないか」
それこそ山肌をえぐり取るように地面を吹き飛ばすレベルの攻撃をし続ければ勝てそうなものだが、そこまでの破壊力を連発するのは無理がありそうだな。
「無理だろうな。壁を貫くというだけでも難しいが……それ以上に障壁発生装置を破壊するというのが無茶な話だ」
そう言いながらオリヴィエは洞窟の最も奥の方に設置してある障壁発生装置を指さす。
「何度も何度も攻撃を繰り返せばそのうち破壊する事は出来るだろうが……その間に俺達が攻撃を防ぎ始めたら先に魔力切れを起こすかもしれんし、他の選手に発見されて襲撃される可能性まであるからな」
「空間魔法を扱えるなら、この洞窟の中に直接乗り込むという策もあるにはあるな。もっとも、私ならば対応出来るからその策は取るべきではないが……」
「空間魔法を使える魔術師なら他の魔術師の空間魔法を認識出来るのか?」
「認識出来るというより、お互いに空間に干渉し合うから気が付いてしまうというだけの話だな。勿論、これは空間魔法の及ぶ範囲に限られたものだが」
空間魔法の効果範囲に別の空間魔法による干渉があれば認識出来るという事か。まあ、魔法が正常に作用しないと考えれば想像しやすいか。




