崩天蛇神の秩序維持

外はどうなっているか

「時間をかけ過ぎれば合流されて数の有利が働かなくなるわけか……厄介だな」

「ああ。合流されたら厄介な事になるな。もっとも……どれだけの人数が当初の予定通りに合流出来るかは疑問だがな」

「確かに、あれだけ派手に魔法の撃ち合いなんてしてたらまともに合流するのは難しいか」

　魔法が着弾しているところには他の選手か審査官がいるって事になるのだろうが……じゃあその場所へわざわざ近寄ろうとするかと言われたら、普通はしないだろうな。それどころか近寄らないように逃げ出すハズだ。例えその場所にこれから合流する予定だった選手がいたとしても……大半の奴は逃げ出すだろう。

「合流しようにも敗退してしまっている可能性が高いからな」

「仮に生き残っている可能性を考慮したとしても、その場所は遠距離魔法の射程圏な上に索敵までされている場所だ。自分から足を踏み入れるのは勇気が必要だな」

「次は自分が狙われると考えるか……或いは自分もそれに巻き込まれると考えるか。利害の一致で協力を取り付けただけの関係では助けには行かないだろうな」

「それか、合流さえ出来れば現状を打破出来る見込みがあると考えているかだな」

　合流する事が出来れば勝機があり、合流出来なかったら敗色濃厚となれば選択の余地は無いからな。

「それは随分な自信家だな？　……いや、しかし攻撃している側からしてみたら、『合流される前に倒したい』と考えている場合もあり得るのか。案外……この攻撃を仕掛けている方こそが実は不利という事もありそうだな」

「そこは……当人にしか知りえない事だな。現時点では誰が誰を攻撃しているのかさえわからないのだからな」

　それを知るためにも、一度外へ出る必要がありそうだ。