オリヴィエが用意した物
「これで大砲の設置も終わったな」
大砲の設置を手伝い、大砲の上に迷彩シートを覆い被せてその上からさらに掘り起こした土を被せる。近くまで来ると何かあるとバレバレになってしまうが、それでもまさか大砲が置いてあるとは夢にも思わないだろう。
「良し、戦うための準備は整ったな。後は……」
そう言いながらオリヴィエは次から次へと道具を出現させる。
「これは……キャンプ用品か?」
オリヴィエが取り出してきた品々の内の一つを手に取ってまじまじと見つめてみる。折り畳み式の椅子に調理器具……全てがキャンプで使う物だった。
「ああ。競技が始まるまでの間……そして競技が始まった後もここを拠点にして活動するわけだからな。戦う準備は整い、次は体を休める準備を整える」
「それで……キャンプ用品か。確かにキャンプ用品は体積を取らないように試行錯誤された形状をしているから、お前の転送魔法とは相性が良いのはわかるが……これとか必要なのか?」
そう言いながら俺はコーヒー豆の入った袋を持ちながらオリヴィエに見せる。そう、粉ではなく豆が入った袋だ。近くには当然の事ながら豆を挽くためのコーヒーミルが折り畳み式のテーブルの上に置かれている。これもキャンプ用のミルとカップやドリッパーがセットになっているやつだ。
「当然だろう。ミルも無しに豆が挽けるか」
「挽いた後の粉を持ってくれば良いだろ」
「風情の無い事を言う男だ。こういうのは雰囲気というものが重要なのだ」
「いや……お前の転送魔法って確か容量無限じゃないよな……?」
確か特定の箱の中に納まるのが条件だったハズだぞ……? それで効率的な形状をしている道具を収納するのは理に適っているが、それで道具を増やしてたら世話無いと思うが。




