積極的に狙うべき名前
「まあ、とりあえず今は目の前の敵の事だけ考えるか。Aグループで注意しなきゃならない相手は誰になる?」
「Aグループだと? ……ああ、確かにAグループしか私達の入れるグループは無いな」
俺に言われてからもう一度張り紙を眺めると、オリヴィエは何かに気が付いたように頷く。要するにAグループ以外にはフィリパやこっちの国からの選手が入っているわけだ。
「ある意味ではわかりやすいな。他にも似たような立場の審査官は多いだろう」
少なくとも大国から選ばれている審査官は絶対数が多いからな。この数は審査官だけでなく、選手にも同じことが言える。この両方が多い以上、審査官は一か所に集めて選手は他の四つに分けるしかない。
「なるほどな……出来れば各グループでまとめて名前を記載してくれればもっとわかりやすかったのだが……まあ、そこは仕方ないか」
「良くわからんが……これはいったい何の順で並んでいるんだ?」
「恐らく合格した順だろうな。前半に優勝候補とも言えるそうそうたるメンツが並んでいるぞ」
「そうなのか? 良くわからんな……」
オリヴィエが言うには最初に名前が書かれている人ほど有力者らしい。なるほどフィリパ達の名前も前から数えた方が早い段階で書かれている。つまり全問正解で突破したという事だろう。
「まあ、全問正解はそれ以上の成績を出せんからな。とりあえずの目安にしかならん」
「だが、積極的に狙うべき名前ではあるよな? あの連中が早い段階で脱落してくれれば、それだけフィリパ達が上位に行ける確率が上がるわけだし」
上位勢が一人でも多く脱落してくれれば、それだけ繰り上がりで順位が上がっていくハズだ。あの名前の十人ほどでもいなくなってくれれば、随分と風通しは良くなる事だろう。




