解けそうな人
「まず、VIP席に解ける人物がいるかいないかで言えば、恐らくいる。フィリックス殿ならば知っていても驚きはしないな。とは言えだ……あの人が妹とは言えフィリパのためにそんな不正行為に手を染めるとは思えん」
「まあ、VIP席で堂々と不正行為をやる程馬鹿ではないだろうな」
バレるリスクを考えたら普通はやらないだろうな。
「やはり、単純にあの問題の答えを知っている選手がいて、その選手に合わせて正解を選んだというのが自然な流れだろう。問題があるとしたら、そんな知り合いがいるのかという点だがな」
「話の流れから考えると、その人物も試験を突破して、張り紙に名前が記載されているハズだな」
「名前だけではわからんな」
張り紙に書かれている情報は、名前とどこの国の予選を勝ち抜いてきたか、そして次の競技ではどのグループに割り振られるかの情報しか書かれていなかった。俺達が知る分にはその程度で十分と言う事なのだろうが……フィリパ達の知り合いを予想する事も出来なくなっているな。せめて年齢くらいは書いてくれていれば多少は予想する事も出来たのだが……仕方ないか。
「一番妥当なのは、同じ学校の選手とかなんだが……国しかわからんからな……」
「国の記載が同じでも、年齢が同じとは限らんからな。そして、スコロの記載を見る限りでは、生まれた国籍では無く、どこの国の予選を勝ち抜いたかの情報しか書かれていないな」
まあ、そこは元々の国籍を重視するか、それとも今住んでいる国を重視するかって話だな。
「元々の国籍はあまり問わないようだな」
「まあ、どこの国にどれだけ優秀な魔術師が集まっているかの指標の方が重要だからな……人材が流出している国よりも集まっている国の名前の方が一般的には知りたいのだろう」
なるほど、一理あるな。元々の国籍の選手と審査官が被ったらどうするつもりなのかは知らんが。




