合格者発表
「ん? どうやら次の競技の参加者とそのグループ分けが出たようだぞ」
配られた弁当を食べていると、係員が会議室に巨大な紙を張り出した。まるで受験の合格発表のようだ。……まるでっていうか、まさにその通りではあるがな。
「ようやくか。食べ終わったら見に行くぞ」
そう言いながら、オリヴィエは遠くから張り出された紙を眺めながら弁当を食べるペースを速める。
「うわ、あいつ落ちたのか……」
「やったぞ! あの二人無事に突破したんだな!」
紙が張り出されると、すぐに人が集まっていく。そしてその結果を見て、審査官達はそれぞれの反応を示す。激しく落胆したり狂喜乱舞したり、強い関心を示す者……ほぼ何のリアクションも見せる事なくただじっと黙って張り紙を見続ける者……とりあえず、俺が会議室を一瞥する分には合格者に興味を示さず、張り紙を確認しようとしない者は数える程しかいなかった。一応、俺達もその中に含んではいるが……単に弁当を食べ終えていないだけで、すぐにでも行くつもりだから数えるべきでは無いだろう。
「今から行ってもゆっくり確認出来そうにないな」
弁当を食べ終えたオリヴィエだったが、人だかりが出来ている中をかき分けてまで張り紙を確認するつもりは無いらしく、人が減るのを待っている様子だった。
「人を分散するために同じ紙を何枚も張り出したようだが……それでも一枚を見るために二桁の人が集まるわけだからな。もう少し待てば人も減るだろ」
張り紙の内容を見て、一喜一憂する者が多数だったが、その場で居座る者は無く、また席へと戻って行った。それと入れ違いになるように俺達が張り紙の前へと移動した。
「さて、部長の名前は書かれているかな……」
「無いと困るな」
……あった。五百名の試験突破者の中の名前に、間違いなくロレット学園剣術部部長、クラウディア先輩の名前が記載されていた。
「やはり突破していたか……流石だな。スコロの名前もあるぞ」
「ああ。本来の実力を出せれば行けると思っていたが……緊張して間違えるってミスはせずに済んだらしいな。フィリパの名前も載ってるぞ」
「なんだと……? どこだ?」
「あそこだ」
フィリパの名前を探し出すオリヴィエに対し、俺は指をさす。
「まさか……本当に突破していたのか……? どうやって……」
「他の選手と答えを合わせたんだろ? 誰かは知らんが」




