調査が進めばわかる事
「調べるのはつい最近ようやく出来るようになったというような状態ってわけか」
「ああ。現状ではそれが精一杯だ。伝説の勇者様御一行が魔王を倒した後、新しい魔王が誕生するような事があったのか? あるいは、魔王が復活する事はありえるのか? そういった点の調査も含めてわかっていく事だろう」
現状ではまだ何もわかってないに等しいと言うわけか。一応、魔界も一枚岩というわけではなく、魔界に住む魔物達の中にすら魔王の復活に対して懐疑的な姿勢を見せる魔物がいたりするのだが……まあ、その程度の情報くらいは把握しているだろう。証拠が無いから信用出来ないと言われたらそれまでの話ってだけの事だ。
「調査が進めば、現時点で魔王と呼ぶべき存在がいるのかいないのかもわかるだろうな。人間との意思疎通が出来るのであれば話し合いも……いや、交渉したところで魔王と言う支配階級がいない事には当人同士の約束にしか過ぎないものになってしまうな。しかし、魔王がいたらいたで大変な事になってしまう」
やはり、魔界の社会や秩序というか……そういったルールのようなものがわからない事には交渉にどこまでの価値があるのかは甚だ疑問が残るな。一応、魔界の魔物の発言を信じるのであれば、魔界では戦国時代のように有力な魔物同士がしのぎを削り合う群雄割拠の時代が到来しているとの事だが、どこまで信用出来るかはわからないな。もしもそれが本当なら、一部の魔物とあえて協力関係を築き上げて、魔物による魔界の統一を阻止するなりのコントロールを狙う事も出来るという事になる。
「そこは今後の調査次第だな。それより、もうそろそろで上位五百名が決まりそうだぞ」
オリヴィエの言葉通り、映像ではまた数人が間違えて、勝者が次の競技への参加を決定する。今度はその間違えた数名が突破をかけてクイズに挑戦するようだ。




