上手く行った後の侵攻方向は
「侵入経路が無いわけではなかったわけか。だが、結果的に侵略の被害を殆ど受けてないって事は、何らかの理由があったという事か?」
「理由は諸説あるな。他の土地を狙っていて、本格的に侵略を開始する前に勇者様御一行に討伐されたためだとか、ゲートの建設に失敗してしまっただとかな」
どっちもありえそうな理由だな。
「他の土地を狙っていたというと、他の大陸に魔物を送り込んでたって事か」
「それもあると思うが、さっきも言ったようにあの国の北側には海が広がっているばかりだ。それも極圏という氷山ばかりで移動に適さない海路ばかりだ。そんな国を南側から侵略する事は、あまり良い戦略とは言えないわけだ」
「……なるほどな。侵略が上手く行ったとして、その後で攻め込む土地が無くなるのか」
基本的に侵略戦争における物資の調達方法は現地での略奪って事になる。つまり、略奪が終わったら次の土地へ向かって進軍し続ける必要があるわけだ。イナゴの大群のようにな。だが、まっすぐ進んだ際に海と言うどうする事も出来ないような行き止まりがあったとしたら……西か東への転進を余儀なくされる事になる。
「ああ。魔王軍の次なる標的は消去法で西へ進出するしかなくなるわけだ」
「西……と、言うと、お前の国へ向かう事になるな。つまりは挟み撃ちの形になるわけだ」
「挟み撃ちにならないように戦力を集めたようだが……実際には使わずに済んだようだな」
「そもそもその国に大量の戦力が常駐する事にはならなかったのだから気にしてもあまり意味は無いのかもしれないが……東には進出しなかったのか?」
北が行き止まりである以上は西か東のどちらかに戦力を移動させる必要が出て来るからな。
「もしかしたらちゃんと斥候を送り付けるくらいの事はしたのかもな。しかし、人が住んでいるような集落を見つけ出す事が出来なくて、人が……物資が豊富にある西側へ進出を開始したのかもしれないな」
まあ、この世界の住人からしてみたら、外側の国のさらに外側って認識になるハズだからな。その後の世で戦場になった四つの国が大国と呼ばれるようになったと考えると、人類は殆ど住んでなかったと考えるのが自然だな。




