学生がいてもわからない
「知り合いの一人でもいれば……と言うが、同じ学園の生徒なら普通にいるぞ」
「なに? 制服を着ていないからわからんな……それに面識もあるかどうかわからんしな」
オリヴィエが言うには、この映像の中にロレット学園の生徒が何人かいるらしいが……見ただけではわからんな。
「まあ、そんなものだろうな。私もどこかのパーティーで会った事のある者を、何となく覚えているだけだ。実際にはもっといるのかもしれん」
「確かに……言われてみると、選手達の年齢層は思ったよりも若い……か?」
映像に流れる顔ぶれを見てみると、若々しさを思わせる選手が多い印象を受ける。
「競技の内容が完全に秘匿されているからな。様々な状況に即座に対応するには、やはり若さというものが必要なのだろうな」
「若さがあれば、多少の不利は体力と勢いでカバー出来るって事か?」
「現時点ではまだ関係ないが、私達が出る競技は特に体力や勢いの影響が色濃く出る事になるだろうな」
確かに、俺達が出るような競技も普通にあるのだとしたら、肉体的にも魔力的にもピークに達している者が向いている事になるな。そして、ピークを過ぎ去った者達はいつの間にかフェードアウトしていくわけか。
「体力の低下と共に出場を辞める者が多いというわけか」
「ああ。そこを魔法でカバー出来るのであれば、一気に優勝候補になりえるが……それが出来れば誰も苦労はしないだろう。それに今回の大会はかなりの過密スケジュールだ。体を休める暇もないのであれば、出場を見送る者がいてもおかしくはない」
確かに前もって判明しているスケジュールから短期決戦になる事は予想しやすいか。そして、そんな中では若さや勢いというのはかなり重要になってくるだろうな。




