俺達の場合
「確かに単純な知識問題と考えれば得意分野だと思っていたが……それだけに失敗出来ないってプレッシャーも大きいだろうな」
「そのプレッシャーに負けて人が多い方に流れる……という事も考えられるな」
「ありえない話じゃないな。そして、現時点であいつの姿が見えないという事は、脱落した可能性も普通にあるというわけだ」
こればかりは本人の精神状態次第だからな……脱落した可能性はあるし、そもそもの難易度を考えれば突破出来る可能性の方が低いまであると言えるな。
「実際のところ、貴様はどう思っているんだ? あの男は突破出来ると思うか?」
「本来の実力を発揮出来れば行けるだろ。……というか、あいつの全力で無理ならそもそも学生レベルで突破するのは無理だって話になる」
もはや推薦がどうのこうのって話じゃない。うちの学園でも今年はほぼ全滅と言っても差し支えない難易度だったという事になるな。
「まあ、ありえるな。学生レベルの実力では突破不可能な難易度という事も。もっとも……私が映像を確認する限りでは攻略不可能な難易度だとは思えないがな」
「お前なら突破出来たか?」
「今のところはな」
「多数派の罠に見事に引っかかったって事じゃねえか」
すでに突破者が出た状況で出て来る返答が『突破出来た』じゃなくて今のところは生き残ってるじゃ例の問題で間違えてるって事になるじゃねえか。
「黙れ。そういう貴様はどうなんだ?」
「いや、余裕で脱落だな。流石に歴史系の問題を出されたらどうしようもない」
わからない問題は直感で選ぶ必要があるが……その直感は見事に外れた。もし俺があの大会に選手として出場していたら速攻で脱落だっただろう。まあ、わからないなら人が多い方を選ぶという攻略法を取ったとは思うが……それだとものの見事にトップ層の仕掛けた罠に引っかかる事になる。この競技を突破出来る可能性はゼロではないが……まあ、考えるだけ無駄な可能性だな。




