残りの人数の数え方
「無敗の帝王は事実上存在しないというわけか。しかし、優勝候補のトップ層は流石にまだ生き残っているだろ？ 単純にそいつらに合わせて解答すれば良いだけなんじゃないのか？ ……まあ、あの集団の中のどこにそいつらがいるのかは見当も付かないが」
そういう意味では、現時点で優勝候補のすぐ隣にいる選手は圧倒的に有利だな。そいつの隣にいるだけでこの競技を合格出来る可能性が大きいわけだ。
「……まあ、そのうちそういう事になりそうだが……そういう事が発生する事は運営の方も理解しているハズだ。何かしらの対策はしているんじゃないか？」
確かに何の対策もしていないという事は無いか。とりあえず、現状は人が減っているからその策を出す必要に迫られていないだけと考えられるな。
「このまま順調に人が減ってくれればそれで良しという事か。しかし、今何人残っているんだ？ 全体像が映っていないから数えられんぞ……」
「そこは係員が数えているんじゃないか？ ……いや、そもそも競技を始める前にカードの一枚でも配れば良いだけの話か」
「カード？ それで人数が把握出来るようになるのか？」
「ああ。ほんの数時間……それも会場内にいるかいないか程度の精度で良いなら何の問題も無く全員に配れるだろう。これで回収したカードと残っているカードを計算すれば、魔法的にも物理的にも残りの人数を割り出す事が出来る」
なるほどな。物理的にカードを配って回収すれば合計人数や残った人数も割り出せるわけか。
「それなら五百人以下になった時はすぐにわかるな。……だが、その方法だと、間違えた選手が退場した後で五百名以下になった事がわかるよな？ 敗者復活戦があると考えると、この時退場になった選手を呼び戻して敗者復活戦を行うのか？」
「まあ、そういう事になるんじゃないのか？ もしかしたら会場で行うのではなく、他の場所で敗者復活戦をやって、そこで勝ち上がった選手が会場に戻るのかもしれないがな」
「観客に見せる必要は無いというわけか……」
確かにわざわざ見せるものでもないのか……？ しかし、五百人の中に入れるかどうかもそれなりに重要な大台だと考えると、関係者からしてみたら確認したい情報ではあるな。
