初期配置
「以上が第二審査の大まかなルールとなります。ここまでで何かご質問等はございますでしょうか?」
「競技開始の時、我々はどこにいるんですかね?」
「それは各々の裁量にお任せします。ただし、競技の公平性を確保するために、待機している選手から半径100メートル以内に近寄る事は出来ません」
「では、審査官同士は最初からチームを組んでも良いんですね?」
「勿論です。皆様の中には単独行動よりも複数人で戦う事の方が得意とする方もいらっしゃいますからね」
俺は競技開始時点での自分達の配置について質問した。……どうやら、競技開始直後から仲間と合流するために捜索を開始する必要は無いようだな。
「待った。私達は自由に配置を決めて良いという話だが、私達がそれぞれどこにいるかは選手達は予め把握しているのか?」
「そこに関しましては公表しません」
「選手達の配置は彼らが決められるんですか?」
「選手達の配置に関しましては完全にランダムに決めさせていただきます。これは競技を始めるよりも前の段階で有利不利を極力出さないためとなります。また、各選手達の配置に関しては事前に皆様に資料をお渡しします。それを確認してからでもご自身の配置を変更していただいて構いません」
こちらの初期配置は完全に非公開だが、あちらの初期配置は事前に確認出来るのか。
「そこはこっちが有利なのか……」
「まあ、この部分でフェアになっても仕方ないしな」
「だが、優勝候補の配置の近くに自分を配置するのは避けるだろ。有力者程有利になるんじゃないか?」
確かに……こちらがより多くの情報を有している上に選択肢も多い故に合理的な作戦を立てる事が出来る。しかし、それ故に勝てる選手がより盤石に勝てるようになってしまいかねないという問題も発生するだろう。何せ危険な行動は避けたいと思うのが普通の考えだろうからな。




