特別な点数の設定
「えー……では、さらにルールの続きを説明します。審査官の得点ですが、先ほども申し上げた通り基本10点となります。基本と言うのは審査官の中に得点の異なるジョーカーキャラを設ける事になっているからです」
「ジョーカーキャラ? 得点が高く設定されているのか……」
「審査官は各グループに二十人が割り当てられます。この中から二人……100点と0点の得点を持つ審査官をそれぞれ一名選出していただきます」
「百とゼロ……!? また随分と思い切った数字を出してきたな……」
係員から告げられる更なるルール開示に、審査官達は半ば呆れたような声を上げる。
「100点って……そいつ倒して最後まで生き残るだけで200点になるじゃねえか……」
「第2回戦突破確定の点数だな。それだけに責任も重大か……」
「100点に選ばれた奴は参加者に倒されないように隠れていた方が良さそうだな」
「それじゃ競技にならないだろ……」
「……一人選出って言ってたか? これって絶対に俺達で決めなきゃいけないのか? くじで決めるとかはナシ?」
流石に100という桁違いの数字を突然出されて審査官達も面食らっている様子だ。まあ、そいつが負けた際のポイント変動が文字通りの桁違いになるのだから誰だって敬遠するに決まっている。
「えー……このジョーカーキャラの決定は各グループの中で決めていただきます。その決め方は各々の裁量に一任しますが……少なくとも観客と選手達には誰が何点の得点を持っているのかは公表した上で競技を始めますので予めご了承ください」
「じゃあ、100点に設定された奴は全選手から集中的に狙われるって事か!? 冗談じゃないぞそんなの」
「逆に、0点の奴は戦って倒してもメリットは皆無だから徹底的に避けられる事になりそうだな」
つまり、100点の奴は集中砲火を食らっても生き残り続ける必要があり、逆に0点の奴は戦闘そのものを避けられる傾向にあるから追いかけ回して倒す事が出来るか、あるいは隠れながら攻撃をバラまけるとかの妨害行動に特化した奴がなるべきって事になりそうだな。




