大まかな説明
「では、ここまでの説明で質問のある方はいらっしゃいますでしょうか?」
「我々が地下で待機している間、大会は進行していくわけですが……それを確認する事は出来ないのでしょうか?」
審査官の一人が挙手して質問を投げかける。
「それでしたら説明会が終わり次第、大会の映像を流しますので、それを見て観戦をお願いいたします」
「わかりました」
映像を流すのか……確かに、この大会の注目度は群を抜いて高いらしいからな。いくら審査官として呼ばれているとはいえ、観戦出来ないというのは不満を持つだろうな。
「それ以外にはございますでしょうか? ないようなので資料をお配りします」
そう言うと係員達は俺達に資料を渡してきた。
「やっぱり噂通り自然公園なのか」
渡された資料をめくり、審査官達は各々で反応を見せる。
「えー、競技の内容を簡潔に言いますと、五百人の一次審査突破者達を百人のグループに分けて生き残り戦をやる事となります。皆様はこちらで決めさせていただいたグループの審査官となって、彼らと戦っていただきます」
百人グループを五つ作って生き残り戦か。そうなると、ここにいる百名前後の審査官も均等に割り振るとして、一つのグループあたりに二十人程度が集まるわけか。
「ランダムに割り振られるのではないんですか?」
「その通りでございます。この競技では選手と競技者が同じ国で被る事が規約上出来ませんので、誠に恐縮ではございますがこちらで勝手にグループを割り振らせていただきました。……また、これは本日行われます第一審査の結果次第では急遽変更となる可能性もございますので予めご了承ください」
確かに国被りが許されない以上、勝ち上がった選手たち次第では審査官の配置を変更する必要がありそうだな。……と、言うか、これって俺達審査官だけでなく、審査を通った選手達もランダムでは無く、運営によってどのグループに入るのか決定されてしまうのか。完全にランダムだと全ての国の選手を含んだグループが出来上がってしまう可能性があるわけだからな。
「この競技で五百人を百人にまで絞り込む予定のハズだが……各グループで上位の二十人が突破するという認識で間違っていないだろうか?」
「ええ。その認識の通りでございます」
各グループの上位二十名が勝ち上がりか。場合によっては、あるグループの二十一位で敗退してしまった選手が他のグループの二十位より優れていたと言う現象も起こりかねないな。




