制定されたルールの問題
「より品質の高い武器に鍛え上げられれば良し、破損したとしても材料としてリサイクル出来るからそれも良しというわけか。流石に上手い事を考える……皆がやりたがるだろうな」
「ああ。実際にあまりにも多いせいで鍛冶ギルド同士で争いにまで発展したり、様々な問題が発生して法規制によってかなり制限がかかるようになった。特に学校と交渉する際に生じる制限が厳しくなったとされている」
「まあ、学校は仕方ないんじゃないか?」
基本的に周囲は全員子供なわけだし、本当に誰でも自由に行き来可能にするのは問題があったのだろう。
「規制が入る事そのものに関しては仕方ないのはその通りなのだが……その規制の内容に批判が殺到してな。すでに契約を締結していた鍛冶ギルドが有利な法律だったわけだ」
「それ自体はさほど問題無いと言うか、それが当たり前の話ではあるが……新規参入がしにくくなったのは吉と出るか凶と出るかだな」
「当たり前の話だが負の側面が注目されるな。特に顕著だったのが、学校のような組織と契約を結ぶための条件なのだが、これが現在の鍛冶ギルドは満たしているが、契約当時の鍛冶ギルド達はその条件を満たしていなかった事があげられる」
それは……荒れるだろうな。
「当時その法律が存在していたら契約出来なかったわけか。確かに納得は得られないだろうな。しかし、法律は過去に遡って訴求するものではないからな」
「法的な部分はそれで良いが、割りを食うのは他のギルドだ。そのためか、ルールの制定それ自体がすでに順調な発展を続けている鍛冶ギルドを守るための法律だと騒がれたようだな」
まあ、ありえない話じゃないだろうな。ギルドが発展すればするほど国のより偉い人と会う確率は上がるわけだからな。その人達が法律を作ってると考えれば、確かにすでに成立しているギルドを守ろうとするのは間違いでは無いだろうな。




