魔力の回収方法
「複数人で武器の制作に取り掛かった方が効率は良いが……その効率の良い方法を取れる人間が少ないわけか……」
「武器商人をやってるハズのお母様ですらがそういう人種だからな……それ以外の魔術師だって似たようなものだろう」
「まあ、仕事でやってる人がそんな感じなら、仕事とか関係なくやってる奴は個人製作が殆どになりそうだな」
武器の一つ一つをオーダーメイドで制作している鍛冶屋ならそれで問題無いのかもしれないが……オリヴィエの家の場合、明らかに大量生産しているからな。武器商人のトップが個人経営の感覚で武器を制作しているというのは……かなり問題がありそうだな。
「一応、完全な個人製作というのはかなり極端な例だ。実際には弟子を取って制作の何割かをやらせているのが大半だな。だが、やはり本質的には個人製作に近いな。弟子の方も師匠の影響を受けて腕を上げていくと個人制作するようになっていってしまうらしいからな」
「弟子同士で優れた武器を作り出せない限りはそういう傾向になるかもな」
「それも魔法効果を付与したような武器でなければダメだ。その手の細工の施されていない武器は他人と協力するメリットが薄いからな」
確かに、単に切れ味の鋭い武器にそこまでの手間をかけるメリットがあるかと聞かれたら、薄いだろうな。
「そう考えると、鍛冶ギルドで人材を集めて常に複数人で武器の製造を行うというのは理に適っているな」
「それだけ、複数人の魔力が予め込められた武器というものを本気で欲した者が多かったという事だな」
「まあ、そうでもしてもらわないと新品の性能に難が生じるからな……購入した後で武器に複数の魔力を込めるなんて、そんなお手軽に出来るとも思えんしな。強いて方法を挙げるなら、複数人で武器を共有するって方法か。それだって実現性があるとは言えんしな……」
ギルドや傭兵集団なら武器を使い回す事も可能だろう。しかし、下手すりゃ命にかかわる事になるかもしれんのに定期的に武器を変えるというのも気軽に出来る事じゃない。同じ武器を何本も用意するのだって簡単じゃないだろうし、その中で一本だけ突出して性能が向上したらその個体の奪い合いになりかねない。かと言って別種の武器を使い回すのは流石に論外だろう。使い慣れない武器は選びたがらないハズだ。
「学生の部活レベルでなら成り立つな。実際に鍛冶ギルドが学校に武器を貸し出すという手法を取っているところもある。学校側としては経費削減になるし、ギルドは魔力を回収できるしで双方にメリットがあるためやってるところは結構多いぞ」
「新品で売るよりもある程度使い込んだ方が価値が高まるわけか」
俗に言うヴィンテージ物って奴か……? まるでどっかの絨毯やジーンズみたいだな。




