武器の流行り
「まあ、武器を買う側からしたら自分の命がかかってるわけだからな……慣れない物を買うのも躊躇するか」
「それはそうだろうな。多少は流行というものも存在するが、流行がそんなに強い影響力を持つなら、何の変哲もない普通の武器なんて売れるわけがないからな」
「シンプルな物が流行るって事は……まあ、無いか。身近にあるんだからな」
身近にある物なんて流行りようがないからな。
「シンプルである事が好まれるという事は滅多に聞かないな。……ただし、これは需要に対して供給が十分にあるからあえて声に出していないだけとも考えられるが」
「何も言わなくても手に入る物ならわざわざ注文する必要も無いしな」
「まあな。しかし、シンプルな物が好まれるという話は聞かないが、小型軽量化に関しては常に一定の要望はあるぞ」
「そりゃあ、小さくて軽ければそれだけ持ち運びに便利だしな。便利ってのはそれだけ重要だって事だろう」
携帯しやすければ常日頃から持ち歩くようになるからな。どんなに強力な武器だったとしても、いざ必要な時に手元に無かったらまるで意味が無いわけだ。それなら常に手元にある道具というのはそれだけで心強いと言えるだろう。
「まあな。持ち運びやすいならそれだけ多く持ち運べるという事だし、売る側にとっても運びやすければそれだけで輸送費が安くなって利益を出しやすくなる」
「しかし、そうなると、今度は重量のある武具の注文に応えられなくなるな」
いくら流行りがあるにしても、重量のある武器を必要とする者は間違いなくいるだろうからな。
「ああ。その通りだ。しかし、重い武具を運ぶのにはそれ相応のコストがかかる。最悪なのはそれほど難しい技術は用いないような武具だ。こういった物は他と比較しても質の差がそこまで離れたりはしないからな。どれだけコストを抑えられるかで値段が決まると言っても良い」
「取引先が遠いとそれだけで不利なわけか」
「だからこそ海外に生産拠点を作ったりするなどの工夫は行っているぞ」
まあ、国外に重い装備を運んで売るよりも、すぐ近くで作ってその場で販売する方が儲けは出やすいだろうな。
「国境線を跨がないなら税関も通らせずに済むわけだからな。デカくて重い物なら材料だけ送って現地で作る方が楽だろう。いや、それどころか材料の調達も現地でやった方が安く済むか」
材料を運ぶのにだってコストはかかるしな。それに製品が重いなら、材料だって思いハズだしな。現地調達の方が楽だろう。




