地形の予想
「数十年間に渡って接近戦の頻度を抑える事が出来るとなると……余程防御に適した地形という事になるな。しかし、堅牢な防御施設があるというわけでもなさそうだ」
「純粋に地形が防御に向いているという事なのだろうな。周囲が川に囲まれてでもいるのか……中州に作られた町? もしかしたら数キロにも及ぶような中州もあるかもしれないが……川の氾濫を考えたら現実的では無いな」
周囲が川で囲まれているような立地に町があったら、川の氾濫の度に町全体が水没する事になってしまうな。
「いっそ森の中……それか山の頂上付近に町があるって可能性は無いか? そもそも重装備で歩き回れないような地形なら、剣や盾、槍のようなものは使われなくなるハズだ」
「森のように入り組んだ道なら、山のように高低差で有利が取れれば飛び道具が中心の武装になるというわけか。確かに、鎧の注文も多くは無いハズだし、そもそも現地の人間でも重装備では身動きが取れないという可能性はあるな」
いわゆる、天然の要塞と言うやつで身を守っているのだとしたら、接近戦が少ないのにも説明がつく。
「そう考えると、高度な武器の類を注文しないのにも、自分のところで製造しないのにも説明がつくな。重装備で気軽に出歩けないのだとすると、資源の調達そのものに限界があるのかもしれん。だとすると、武器の製造は後回しになってしまうだろうな」
仮に森の中だとすると、森林を伐採して町を拡大しようとしていない事になるな。山だったら……まあ、そもそもの標高があるから自由に動き回れないのかもな。
「かなり特殊な場所だな。それで人からの襲撃に遭う事がそれなりの頻度であるという事は、何か物珍しい物が手に入るのかもしれんな」
「それを売って生計を立てている村か……? それなら長年取引を続けているのも頷ける」




