情報は無い
「数十年間人間から襲撃を受けているって事か……? どんな土地だよ……」
「客の情報はわからんな。だが、そこまで栄えている町ではない事は確かだろうな。余程優れた魔術師がいるのか……」
「魔術師が戦力の大半を担っているからその他の戦力は最低限度で良いって事か? しかし、数十年だろ? あり得なくは無いが……一人に依存して大丈夫なのか?」
数十年にも渡って一人の才能に依存するというのは組織として考えるとかなり歪な形になるハズだ。その人物がいなくなった後の事なんて想像もつかないだろう。
「大丈夫なわけが無いな。だが、そんな特殊な町なら高名な魔術師がいるという話をどこかで聞くハズだ。しかし、実際にはそんな凄腕の魔術師がいる町など聞いた事が無い。……正確には、そんな町が小規模な町で収まるわけがない……だな」
有名な魔術師がいるなら噂を聞きつけて人が集まるって事か。
「田舎町に賢者が隠れ住んでるって可能性は無いのか?」
「隠れているなら町の防衛は自力で行っている事になる。あまりにも質が高いな。と言うより質を維持しすぎている」
「じゃあ、得意先は町とかじゃなく傭兵集団とかギルドならどうだ? それなら数十年間でも質を維持し続ける事も可能だろう」
「あり得る話ではあるが……そうなると、わざわざ我が一族から武器を調達している事になるぞ。専門職がお抱えの武器職人を保有していないなんて事はあるまい」
確かに仕入れるよりも現地で製造した方が安上がりだな。オリヴィエの家と近しい間柄なら、より高度な武器を注文するハズだ。
「高度な武器は自分で作って基本的な武器は輸入に頼っている……? 流石に現実的じゃないな。むしろ自分のところでの生産が追い付かないのか……? しかし数十年その状態が続くのは意味が分からんな」
「普通は拠点の生産力を強化するだろうな。むしろ防衛目的ではなく襲撃目的で注文しているのかと考えたが……それだと剣や盾が少ない事の説明が出来んし、やはり数十年は長すぎる」
まあ、接近戦が少ないのは明らかだからな。




