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崩天蛇神の秩序維持  作者: てるてるぼうず
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一分一秒を争う状況

「結論を言えばその通りだ。川沿いの占領されうる拠点には最小限の戦力のみを配備させ、離れた場所に本隊を待機させるという作戦で守りを固めていたわけだ。敵の狙いを一つに絞り切れず、どこを狙われても全てを守れるように機動性を重視した装備を用意したようだ」

「最初の攻撃を防ぎ切って、全滅するまでに後方から援軍を送るシステムを作ったわけか。凄いものを考え付くものだな」


 いや、考え付くだけならあり得るのだろうが、それを実際に遂行するとなるとその難易度は尋常なものではないだろう。敵からの襲撃を受けた際の援軍だって予行演習も無しにいきなり本番で上手く行くハズがない。つまり数え切れない程の訓練を行ったという事なのだろう。


「ああ。敵国から攻撃を受けてから何分以内に現場に到着して応戦するかのタイムをひたすら縮める訓練を続けたらしいな」

「一分一秒を争う事だからな。冗談抜きに一秒でも早く戦場に到着する事で助かった者だっていただろう」


 当時の技術水準は知らんが、銃弾飛び交うような戦場なら、一秒もあればそれこそ銃弾一発以上の影響は出るだろう。


「まあ、最初に配属されていた六百名の兵士の被害もその分だけ減るからな。とにかく、最初の攻撃を防ぎ、すぐに到着した援軍も前線に出た事によって敵の侵攻を食い止める事が出来たわけだ。その後はさっきも話した通り、戦力を増やして回り込むように展開してくる敵に対し、自分達も横に展開してこれを防いでいったわけだ」

「結局、他の国の国境線に到達するまで横に伸びきったんだよな? 良くそんな戦力を用意出来たな。……と、言うか投入出来たな」


 お互いに第三の国まで戦争に巻き込むわけにはいかなかったのだろうから、途中まで広がった時点で見切りをつけられそうな気もするが。


「戦争になる事はお互いに承知の上だからな。その上で相応の準備をしていたわけだ。当然、他の国にまで戦線が伸びる事も想定していたとは思うぞ? 両国ともにその国に向けて何度も使者を送っているからな」

「お互いに自分達の味方になるように交渉していたのだろうな」

「そういう事だな。結局、どちらの味方にもならなかったせいで戦線は伸びきった状態での消耗戦に陥ってしまったわけだ」


 デカい国同士の消耗戦となると、次の展開は二つに一つだ。周辺国家が漁夫の利狙いで好き勝手動き始めるか、もしくは戦火が周辺国家にまで及んでさらに大規模な戦争に発展するかだ。

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