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崩天蛇神の秩序維持  作者: てるてるぼうず
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船以外の手段

「横に伸びきった戦線を突破出来ないのはわかったが……船以外にも川を渡る手段はあるよな? 飛空艇だったり転送魔法は使われなかったのか?」

「勿論それらを用いた作戦も数多く実行された。しかし、自分達で使っている兵器は結局のところは相手も似たようなものを使って来るからな。……まあ、この場合は防御側が戦略的に一枚上手だったのだろうな」


 結果的に侵略を許さなかったわけだからな。侵略される事そのものは事前に予想して対策していた事を考えると、完全に相手を読み切ったのだろうな。


「恐らく、川を境に国境線を……いや、条約上は国境線とは表記しないか。とにかく、川を境界線にしたのが功を奏したのだろうな。これも戦略の一つなのだろう」

「だろうな。川の向こう側に自陣があれば敵は真っ先にそこを狙うだろうからな。戦争の争点は、その拠点から戦力を展開出来るか、それとも圧し潰されて占拠されてしまうかのどちらかになっていただろう」

「これは侵略する側は喉から手が出る程欲しかっただろうな。川の向こう側に拠点を作る事が出来ればそこからどんどん戦力を展開する事が出来たわけだからな。少なくとも戦線をひたすら横に伸ばす必要は無くなったはハズだ」


 むしろこの場合、戦力を横に伸ばすのは無意味どころかマイナスに働きかねない。横に伸びる戦線に対して、縦に突破する事が出来れば敵の戦力を左右で分断出来るわけだからな。それが出来れば戦争は勝ったも同然に出来る。


「まあ、戦力を横に伸ばす理由が川の向こう側に辿り着くためだからな。最初から拠点があるという前提ならその必要性は無くなるな」

「流石にそんなものを認めた条約は結ばないか。まあ、これはどこまでの侵攻は黙認するのかという取り決めだからな。守り切る自信のある領域までしか認めないか」


 結局のところは、交渉決裂になればもっと早い段階で戦いが始まっていた事になっていただろうからな。侵略側もそれは避けたかった事情があったのだろう。でなければ不可侵条約なんて破棄する事前提の厄介な条約なんて結ぶ理由が無い。


「ああ。いかに敵の守りの裏をかいて攻め込むか……最初の攻撃の結果次第で趨勢が決まると言って良い戦争だったが、その最初の侵攻を防ぎ切った時点で防衛側の勝利はほぼ揺るがないものになっていたようだな」


 まあ、守りの戦力が薄いところを奇襲されたら戦術も何も無く占領されるだろうからな。どれだけの戦力がどこに配置されているのか……それを読み合う情報戦が飛び交っていたわけだ。

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