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崩天蛇神の秩序維持  作者: てるてるぼうず
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あらゆる可能性

「……その自然災害には魔物とかの被害も含むのか? だとしたら予想は相当難しいだろうな」

「魔物の被害を自然災害とみなすかどうかは人によって算出方法が異なるな。と、言うのも魔物が天候に影響を与えている場合があるから、統合して考えた方がわかりやすいとする人もいれば、分けて考えるべきとする人もいる。まあ、一般的には複合して考えるからその解釈で構わんぞ」


 魔物の被害を考慮するとなると、数字にバラつきが出るのも仕方ないな。


「じゃあ、対処しなければならない問題はそれこそ山ほどあるな」

「それをどこまで限定して数字を当てはめるかでブレ幅が大きくなっている。と、言うのもこの魔物の被害をあらゆる魔物からの被害が起こりうると考えるか一部の魔物の被害だけで計算すべきかで真っ向から対立しているわけだ」


 ……なるほどな。確かに開拓をしている間は何が起こるかは全くの未知数だ。それを考えればあらゆる可能性を考慮すべきではある。……が、では実際にあらゆる魔物が襲い掛かってくるという事が現実的に考えてありえるかと問われると……微妙な話と言えるだろう。魔物にだって生息域というものは存在するわけだから、考慮しなくても構わない部分は確かに存在する。極論を言ってしまえば、内陸の土地の開拓を行う際に海の魔物からの被害を考えてもあまり建設的とは言えないだろうからな。


「まあ、開拓の初期段階では周辺にどんな魔物が生息しているかは全くの未知数だからあらゆる可能性を考慮すべきではあるが……それは時間の経過とともに潰してしまって良い可能性というものもあるだろうな。村の周辺を探索して周囲の環境を調査すればするほど『あらゆる可能性』というものは考えなくて良くなるわけだからな」

「その通りだ。そしてそれは、開拓を行う前からでも同じ理屈が適用出来る。要は周辺の環境がどれだけ正確に把握されていたかだ」

「それは……当時の調査記録を読まない事には予想も立てられないな」

「計測方法やその計測方法の信頼性も加味した上で考える必要がある。推測は不可能だな」

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