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崩天蛇神の秩序維持  作者: てるてるぼうず
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効果はあったか否か

「……まあ、そいつの頭がおかしいからで結論を出したらそれで終わりだからな……もっと理論立てて論文を出したいだろうな。今後似たような奴が出てくるとも限らんわけだし」


 それじゃあ何の参考にもならん。現実問題として実際に発生した出来事である以上は今後も似たような事が起こるかもしれないとして研究する価値は十二分にあると考えられるだろう。


「……まあ、今の時代となってしまってはもはや今更という話ではあるが、当時としては対策の方法があるなら何としても調べておきたい事項ではあっただろうな。最悪根も葉もない噂なら無視する事も出来るだろうが……万に一つ証拠を持っていたら大変な事になるからな」

「そういう意味じゃ、本当に繋がりのある人物が多い時程研究は推し進められていただろうな」


 その研究の意義が疑問視されたり風化するとしたら、当時シンジケートと繋がっていた人間が一通りいなくなった後だろう。そこまで行けば国の上層部に関係者が一人もいないという状態になるから下手な行動を取る奴はいなくなるし、証拠を持っている人間だってその頃にはもういなくなっているだろう。


「それはそうかもしれんが……そういう意味ではそこまで役に立った研究ではなかっただろうな」

「役に立たなかったって……数を減らせなかったのか?」

「厳密には、研究を行わなかった場合もっとたくさんの愉快犯や模倣犯が出現していた可能性があるから断言は出来ないが……最終的には厳罰化という手段を用いたわけだからな。社会問題になるくらいには大量発生したぞ」


 その大量発生を研究が無意味だった証左とするか、それとも研究の成果としてそのレベルに抑える事が出来たとするかで解釈が分かれるわけか。


「研究や対策を行わなかった場合、どれだけ問題がさらに酷くなっていたかなんて普通は想像もつかない事だろうからな……そこの解釈の乖離に関してはずっと平行線になるだろうな」

「過程を完全に無視して結果論のみで考えて良いなら、効果はあったと言えるぞ。本当に関与が証明された事件はそれ以降発生していないからな」

「それが対策の成果なのか関係者が本当にいなくなっていたからなのか、それはわからないが新しい事件発覚は無かったのか……」

「いや、事件が発覚した事はそれ以降もあるぞ。愉快犯の妄言だと思われていたものが本当のものだったという事が発覚した事がそれ以降一件も無いという話だ」


 ……それは、研究の効果があったかどうか判断するには微妙な話だな。

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