それぞれの情報を把握出来る存在
「交易を行うというだけでなく、情報のやり取りも盛んに行う事で周辺の情報もより詳細にわかるのか……魔物の住処がわかるだけでもありがたいし、ならず者達がどこを根城にしているのかを知れるだけでも村としてはかなり活動がしやすいだろうな」
「仮に討伐に向かうにしても、連携が取りやすいし作戦も立てやすいだろうからな」
「討伐に必要な準備も一つの村で揃えるのではなく、複数の村が分担して負担すればかなり効率的に物資を揃えられるだろうしな」
一つの村だけでは到底成しえなかった事でも、幾つかの村が協力し合えればそのハードルは一気に下がるわけだ。
「まあ、食料担当と武器担当で必要な物資を揃えるというだけでもかなりやりやすいだろうな」
「その上さらに、同じ人間が村の開拓を行っていたのだろう? つまり、村同士で知り合いがいる可能性が高いわけだ。これも連携を取り合う上ではかなり有利に働く」
村を開拓しては次の村の開拓を推し進めていたようだが、何の考えも持たずに行き当たりばったりで開拓を進めでもしていない限りは村同士で協力し合うなんて事は最初から計画の中に入っていた事だろう。つまり、村周辺の魔物やならず者達の討伐もどこかのタイミングで行う事を計画していたとしても不思議では無いな。
「ああ。実際にどのような実態だったかわからないが、開拓者の目線で考えればかつて自分が開拓した村が近くにあるのだ。当然、開拓者本人が協力を要請したであろう事は想像に難くないな」
「まあ、普通に考えたら協力を期待するだろうな」
当時の時代背景を考えれば、村から一歩でも外へ出たら全くの未知の領域だといっても過言では無かったハズだ。そんな状況で村の外どころか、隣の村に良く知った人がいるというのはそれだけでも心強いものだろう。それを考えれば、どのくらいの頻度で交流を深めたかは知らないが、村の存亡に関わるような重要な情報は互いの村で共有し合っていた可能性は高いだろうな。少なくとも、開拓者はそれぞれの村の開拓で得た情報や培ってきた技術を総動員して目の前の開拓事業に取り掛かっているわけだから、魔物の討伐を積極的に行っていてもおかしくは無いな。




