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崩天蛇神の秩序維持  作者: てるてるぼうず
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人手はどれだけあっても足りない

「交易ルートの開通が完了してから次の土地への開拓開始が早過ぎるって話だったが、どれくらい早かったんだ? 現実的に考えてあり得るレベルギリギリとかか?」

「いや、完全にあり得ないレベルだ。まず村長としての業務の引継ぎに必要な日数すら足りていない。……と、言うより交易ルートが開通したとしても少なくとも数か月は滞在するだろう普通に考えれば? それすら無く即座に移住したようだ」

「じゃあ、交易ルートで実際に交易しているところを見たわけではないのか?」


 これは……驚きだな。普通に考えたら村の責任者として村の交易に関わるべきだと思うが……だが、それだと次の土地の開拓なんて数年は先の話になってしまう事だろう。それを嫌って最初から他人に丸投げしてしまったのか?


「見た事が無いかどうかに関してはわからんが、少なくとも交易に関しては一切関わらなかったようだぞ」

「村長の業務の引継ぎに関しては……まあ、いなくなる事なんて事前にわかり切っていた事なんだからかなり早い段階で後継者の育成を行っていたのだろうと納得する事は出来るが……交易を他人に丸投げというのはあまりにも無責任じゃないか?」


 そもそも国からの依頼の本質がまさにその部分に集約されているのだから、そこを他人に任せるなんて事が許されるのか?


「まあ、そこは賛否別れそうなところだな。結果として輸送中の荷物がならず者達に狙われるという事件が多発するのだからいてもしょうがないと言う者もいれば、あの人がいれば積み荷を狙われると言う問題に対しても何かしらの対策を講じる事が出来たんじゃないかと言われたり、色々だな」


 対策と言っても、出来る事なんて行き来する人に護衛を付けさせるか、もしくは交易ルート上で定期的に見回りをして賊を発見次第倒すという事をするしかないハズだ。


「画期的な方法があるとも思えんし、どうせ他人に運営を任せる村なのだから変に引継ぎの手間を作らないで済むように最初から後継者に任せてしまうと言うのもアリと言えばアリなんじゃないか?」


 護衛を付けるにしても見回りをさせるにしても、交易ルートの長さ次第じゃ人手なんてどれだけあっても足りる事は無いだろう。

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