崩天蛇神の秩序維持

なりふり構わなくなってきた

「村の人々は何も知らないまま生活するのか」

「そういう事だな」

「しかし、そんな事をしているとなると、相当な金を稼いだんじゃないのか？」

「その通りだ。主要な交易ルートに拠点を構えていたから莫大な資金が転がり込んで来るわけだ。その資金を上手く利用して様々な貴族達と関係を持ったとされている」

「そんな組織が良く滅んだな……」

　聞いている限りではどうやっても壊滅しそうにないが……様々な貴族と親しくなっているなら国も手が出し辛いハズだ。

「国としては事態を重く見ていたが、中枢にまで影響力を持ち始めていたからな……手を出せずにいた。……が、それと同じ時期に着実に開拓を成功させていた者がいた。その人物が作った村を経由して交易ルートを結ぶ事が出来れば、影響力は一気に減ると考えられたわけだ。少なくともシンジケートの言いなりの税金を押し付けられるという事は避けられるハズだからな」

　税金か。確かに道が二つあって、それぞれで税率が異なるなら通行人はどちらの道を通るか選ぶ事が出来るな。

「道が複数あるなら、安全で税金の安い方を通りたがるだろうな。あまりにも高い税率だと、余程安全性にギャップが無い限りは人は減っていくだろうな」

「当然、シンジケートは妨害を試みるが、国からしてみたら交易ルートは多い方が良いからな。それでも多少は影響を受けてしまったが順調に成長していった。そして交易ルートが開通しかねない段階まで開拓を成功させていったところで、ついに本気で妨害を行うようになっていった。要はならず者を使った侵略行為だな」

　利権を守るために必死なわけだ。いよいよなりふり構わなくなってきたと言ったところか。