舐められるわけにはいかない
「その土地の問題は解決したのか? それとも今も解決せずに残っているのか……」
「結果的には解決したな領土戦争が起こって併合された」
「人類が復興したとたんに戦争か」
まあ、滅んだら終わりなんだから四の五の言ってられないのは確かなんだが……あまりにも後先を考えなさ過ぎたな。
「そこまで見境無しではない。色々と外交努力を重ねた結果の話だ」
「原因は住民の対立か?」
「まあな。飛び地は手に入れる事が出来たが……その後も戦いは続いて、国境線は大分書き換えられたがな」
交易の無駄を省くのが目的のハズなのにその相手国と戦争になるとは本末転倒だな。
「まあ、再び交易が再開するレベルまで修復したなら良いが……しかし、そうなるといよいよ適当な国に土地の権利書は売れなくなったな」
「元々違法ではあったが、厳罰化はしたな。最初から断罪すべきだったというのが一般的な評価だがな」
「そうれはそうだな。やはり罪に問えない事情があったのか?」
「詳しくはわからんが、あったのだろうな」
まあ、普通に考えたらそんなの許すわけが無いんだから、何かしら問題があったのだろう。
「別の国に土地の権利を売ろうとした時点で、その国とは蜜月の関係になっていただろう事を考えると……匿われたか」
「それもある。他にも……さっきも言った通り、開拓事業は失敗に終わる事が多かったからな。そんな中で成功した実績のある連中を捕まえるわけにはいかなかったのではないかと言われている」
「そいつらにはさらに開拓をしてもらわないといけなかったわけか。しかしそうなると、そいつらはさらに付け上がるんじゃないのか?」
この手の話はどんどんエスカレートしていくものだからな。
「実際、シンジケート化していってかなりの問題にまで発展した。……まあ、そのせいで本気で対策チームを作られて壊滅したがな」
そりゃ、そんな好き放題やってたら国だって本気を出す事になるだろうな。そもそも国がそんな個人や組織に屈してるようじゃ他の国からだって舐められるだろうからな。それが大国ともなればなおさらだ。




